緑慎也の「ビル・ヘイビーっち覚えとって」

科学ライターですが、科学以外のことも書きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

本庶佑氏のノーベル賞受賞

「ノーベル生理学・医学賞に本庶氏 免疫の仕組み解明」という日本経済新聞の速報メールで、本庶佑氏のノーベル賞受賞の決定を知りました。 ちょっと意外だったのは、「免疫の仕組み解明」です。本庶氏は、免疫記憶の研究で偉大な成果を上げています。多種多…

『ワンダー 君は太陽』と吉田勝二さん

昨日、池袋シネマ・ロサで映画『ワンダー 君は太陽』を見ました。 主人公は先天性の障害のため、顔が「普通(ordinary)でない」少年オギー。家で母親の自宅学習しかしてこなかった10歳の彼が、小学校に中途入学するところから話ははじまります。 自分の顔は…

チバユウスケの答えは

チバユウスケの歌を聴いて、どんなイメージが心に浮かぶでしょうか。といって耳にしたことのない人には何のことやらだとは思いますが続けます。 Thee Michelle Gun Elephant(TMGE)のライブ映像をライブハウスとか映画館で爆音上映したイベントのパンフレッ…

意識の再定義

6月10日、東大駒場リサーチキャンパス公開の2日目。10時に開場するや真っ先に先端研13号館地下に向かいました。ちょっとでも遅れると長時間の行列待ちが予想されたからです。運良く、お目当ての廣瀬通孝研究室のVRシアターに一番乗りを果たしました。 体験者…

デジタルヒューマンに血が流れる日

6/8-9、東大駒場リサーチキャンパス公開に行ってきました。印象に残った研究室を紹介します。 数年前、CGで作られた臓器を見たことがあります。コンピュータ上で臓器を再現し、病気の診断や医学研究に役立てようという試みでした。しかしこれまでのCG臓器は…

「文學界」7月号「対談 AIとAR時代の文学」

「文學界」(2018年7月号)に掲載されている「対談 暦本純一(東大大学院情報学環教授)×上田岳弘 AI(人工知能)とAR(拡張現実)時代の文学」という記事を紹介します。同記事の構成を担当しました。この仕事のお話をいただくまで、恥ずかしながら上田氏の…

ILCの正念場

2003年か04年と思われますが、リニアコライダーに関するシンポジウムを見に行きました。会場は東大本郷キャンパスの山上会館。昔のことなので記憶が曖昧ですが、たまたま近くを通りかかり、看板でも見つけてふらっと中を覗いてみたんだと思います。当時は暇…

AIと行政

「週刊新潮」2018年5月17日号の「ワンフレーズ遺伝子 小泉進次郎推奨の"ポリテック"評価表」という記事に対し、私は、小泉氏の想定している政治にAIを導入せよとの提言はスケールが小さいという趣旨のコメントを寄せました。 しかし私はこれまで「AIと政治」…

植田康夫先生のお別れ会

4月17日、立花(隆)さんから電話があり、「植田(康夫)さん、亡くなったらしいよ」とのこと。驚きました。でも植田先生ががんを患って手術をしたことは聞いていたので、最近お目にかかっていない間に病状が悪化したんだなと思いました。 しかし、昨日(5月…

ゾロメ死去

友情の連鎖。ゾロメの生涯からそんな言葉が思い浮かびます。 5月9日に大分市の高崎山自然動物園で元C群ボスザルのゾロメの死が確認されたらしい。 www.huffingtonpost.jp 伝説のボスザルと言えばベンツです。2013年9月に姿を消し、3カ月後、大分市街で発見…

「AIと政治」はペーパーレスより大臣レス

今週発売の「週刊新潮」(2018年5月17日号)で、コメントしました。記者さんから与えられたテーマは「AIと政治」。そんな大層な話できんよと思ったものの、詳しく聞くと、4月29日の小泉進次郎氏の発言、「ポリティクスとテクノロジーを合わせた造語ポリテッ…